兵庫県は、モデルナ社製の新型コロナウイルスワクチン約16万回分が5月下旬で使用期限切れのため廃棄する見込みを明らかにした。3回目接種率が53・39%(15日現在)と伸び悩んでいることが影響しており、県は接種促進に力を入れている。
県は20日、西宮と姫路両市の大規模接種会場で保有する約1万9000回分を廃棄する見通しを示した。政令・中核市でも、神戸5万回分▽姫路2万回分▽西宮約7000回分――が廃棄されるという。
県内の3回目接種率は、12~19歳12・35%▽20~29歳32・49%▽30~39歳35・96%▽40~49歳46・26%▽50~59歳65・50%▽60~64歳78・66%▽65歳以上88・18%――で、若年層の接種が進んでいない。県は当初、県内への供給量をファイザー社製266万回、モデルナ社製234万回としていた。最終的にモデルナ社製を155万回に減らしたが、多数が使用期限切れを迎えて、廃棄せざるえなくなっているという。早い段階からモデルナ社製の供給を減らした尼崎、明石両市は廃棄をほぼゼロに抑えた。
県や神戸市によると、ワクチンは製造から9カ月間は有効だが、国から配分された時点で期限まで2カ月半~3カ月半のものもあり、使いきれなかったという。西宮市の担当者は「1、2回目の接種はファイザー社製が大半を占めた。3回目も同じワクチンでの接種希望者が多かったことも影響したのではないか」と話す。
県は、5月31日まで姫路、西宮両市の大規模接種会場で予約無しの当日接種を受け付けており、「感染拡大防止のために3回目接種を」と呼びかけている。【井上元宏】