愛知県豊田市の取水施設「明治用水頭首工(とうしゅこう)」で発生した大規模漏水を巡り、JAあいち中央(同県安城市)は23日、取水施設を所管する東海農政局に対し、農業用水の早期の供給再開や農作物に被害が出た場合の補償などを求める緊急要請を行った。
同JA営農部会長で稲作農家の神谷力さんは要請で「あと1週間が山場。水が通らなければ作物が枯れてしまう」と懸念を表明。同農政局の小林勝利局長は「5月中をめどに最低限必要な水を流すよう頑張っている。もう少しだけお待ちください」と述べた。
大規模漏水により、西三河地区8市の農地では17日から供給停止が続いている。取水施設ではこの日も矢作川から水をくみ取る仮設ポンプを増設。同農政局によると、農業と工業で最低限必要な計毎秒8立方メートルの水量に対し、23日午後3時現在、ポンプ計109台を稼働させ、同6・85立方メートルの取水が可能となった。
同農政局などはこれまでに、矢作川以外の大谷川、猿渡(さわたり)川からも明治用水に水をくみ上げるポンプを設置。安城市は23日から市内の農家を対象に、浄水場で水道水の無償提供を始め、延べ34件の農家が給水を受けたという。
また、県は同日、明治用水を管理する土地改良区や自治体が農業用水を確保するために講じた措置に対し、経費を全額補助すると発表した。【酒井志帆】