「特に目的なく情報収集で」全市民3万2千人の住基データ持ち出し…市係長ら懲戒免職

岩手県釜石市は26日、全市民の住所や氏名などの個人情報のデータをメールで自宅パソコンに送るなどして外部に持ち出したとして、いずれも40歳代の総務企画部の女性係長と建設部の男性主査を懲戒免職処分にした。市は、第三者への漏えいは現在のところ、確認されていないとしているが、全容解明のため、2人を住民基本台帳法違反容疑で釜石署に刑事告訴した。
発表によると、2人は2015年2月から今年1月頃まで、市民の住所、氏名、生年月日などが記された住民基本台帳のデータをメールで計21回、自宅パソコンや職場のパソコンに送信したり、USBメモリーにコピーしたりして外部に持ち出した。持ち出されたデータは全市民約3万2000人分にあたるという。
住基台帳を閲覧できるのは全職員の半数の約300人で、係長が閲覧権限のない部署に異動した際は、主査に頼んで送ってもらっていた。市は係長が主導したとみており、係長は聞き取りに対し、「特に目的はなく、情報収集したかった」と話しているという。市は2人以外にも関与した職員が複数いるとみて、調査を継続している。
また、持ち出した情報には約600人分のマイナンバーの情報も含まれていた。市は総務省に報告するとともに、番号が漏れた市民に連絡し、番号変更を受け付ける。
匿名の手紙が昨年9月に市に届き、今回の漏えいが発覚した。野田武則市長は26日の臨時記者会見で「個人情報の保護に当たるべき職員の行為は誠に遺憾で、深くおわびする」と陳謝し、研修の徹底など再発防止を図る方針を示した。