「10年かかりやっとここまで」原告側喜び 泊原発差し止め判決

北海道電力泊原発(北海道泊村)の安全性が問われた訴訟で札幌地裁は31日、全1~3号機の運転差し止めを命じた。2011年11月の提訴から、道内唯一の原発を止めるべきだと訴えてきた原告側は、判決を受け「10年かかって、やっとここまできた」「(危険な原発を止めるという)当たり前の判決が出た」と喜びをかみしめた。
31日午後3時ごろ、同地裁805号法廷。谷口哲也裁判長が「被告(北電)は1~3号機を運転してはならない」と判決主文を読み上げると、法廷内の原告から「勝った」「やった!」と声が上がった。
泊原発が立地する泊村から南に約10キロの岩内町に住む原告団長の斉藤武一(たけいち)さん(69)はこれまで、自前の紙芝居を使って原発の危険性を訴える活動を道内各地で続けてきた。判決後の記者会見では、提訴後の長い道のりを振り返り「原告の一人として、道民の一人として(勝訴判決を)素直に喜びたい。原発のない北海道を目指していける」と発言。「当たり前の判決が、当たり前に出たことが本当にうれしい」と語った。
泊原発の再稼働を巡っては、原子力規制委員会による安全審査が今も続いている。今回の訴訟では原告側が38回に及んだ口頭弁論で、主張立証に時間がかかる北電側の姿勢を批判してきた。この点について、地裁は判決で「原告側にいつ明確になるか分からない、あるいは変更され得る北電側の主張に延々と対応することを余儀なくするもので、訴訟上、正当化することは難しい」と問題視した。斉藤さんは会見で「(北電は)とにかくだらしない」と批判した。
また、原告側弁護団の市川守弘弁護士は「(判決は)極めて妥当。(泊原発は)いまだに新規制基準をクリアできておらず、北電に原発を稼働させる能力がないことは明らか」と強調。「全国の審査中の原発について、少なくない影響を与えるのではないか」と推測し「最低限の基準をクリアできない原発は、規制委に代わって裁判所が判断すべきだ」と訴えた。【高橋由衣】