「世界の侵略的外来種」カミキリ猛威、樹木が穴だらけに…昨年から全国に被害拡大

神戸市東灘区の六甲アイランドで猛威を振るう、外来種の昆虫「ツヤハダゴマダラカミキリ」について、市はこれまでに計約430本の樹木で食害を確認した。定着すれば生態系に深刻な影響を与える恐れがあり、市は駆除を進めるとともに、アプリを利用した市民参加型の生態調査に乗り出す。(大背戸将)
ツヤハダゴマダラカミキリは、中国や朝鮮半島が原産の甲虫で、体長は2~3・5センチほど。成虫は6~9月頃に活動し、樹木の中に40~60個の卵を残して冬までに死滅する。在来種のゴマダラカミキリとよく似ており、頭の下に白い斑紋がない点が主な違いという。
毒を持たず、かまれても人への被害はないとされるが、寄生する樹木を枯らしてしまうのが特徴。北米や欧州の一部では公園や街路樹に巨額の被害を与えており、国際自然保護連合(IUCN)も「世界の侵略的外来種ワースト100」に選んでいる。
神戸市では2020年度に六アイ内で見つかり、21年7月に調査。食害で穴だらけになったアキニレが路上や公園などで429本見つかり、穴の中にいる幼虫が羽化する前の今年1~2月に伐採した。
ただ、02年に国内で初めてツヤハダゴマダラカミキリを確認した横浜市では、根絶までに約2年かかっており、神戸市自然環境課は「まだ一定数の個体は生息しているだろう」とみる。
今年7月には六アイ内の親子ら向けに採集イベントを開催し、さらなる駆除に協力してもらう予定だ。
また、埼玉や愛知などでも昨年以降に発見が報告されるなど被害が全国に広がっていることから、市は調査範囲を市全域に拡大。6~8月に人工知能(AI)で生物の種類を判定できる民間アプリ「Biome(バイオーム)」を使って分布情報を集めるといい、市民にもアプリの利用を呼びかける。
久元喜造市長は「生き物に罪はないが、外来種によって生態系が壊される事態は避けなければならず、神戸本来の自然環境を守るためにも調査に協力してほしい」と話している。