北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、作業船に積まれていたカズワンの船体が1日午前、網走港(北海道網走市)で陸揚げされた。第1管区海上保安本部によると、1日午後に乗客の家族らに公開され、献花などが行われる。
船体を網走港へ陸揚げする作業は1日午前7時15分ごろから始まり、約1時間で完了した。船体は作業船に積まれていた時と同様、ブルーシートに覆われた状態でトレーラーに載せられ、港近くの保管場所へ移された。
国土交通省によると、1日午後に予定されている船体の公開には複数の家族から参加の連絡が来ている。
また、1管は1日、5月29~31日に北海道警や自衛隊などと協力して実施した大規模な捜索の結果、行方不明者に関する手がかりなどは見つからなかったと明らかにした。31日で道警など関係機関への捜索要請は終了したが、今後も海上保安庁を中心に捜索活動は継続するとしている。1管幹部は1日、「長期戦に備えるための態勢に移行する」と話した。
事故は4月23日、知床半島の観光名所「カシュニの滝」付近の海域で発生。乗員乗客計26人のうち、14人の死亡が確認され、12人が行方不明のままとなっている。【加藤佑輔、山田豊】