50年前の1972年にイスラエルのテルアビブ空港乱射事件を起こすなど世界各地でテロを起こした日本赤軍について、中村格警察庁長官は2日の記者会見で、「テロ組織としての危険性がなくなったとみることは到底できない」と述べた。日本赤軍のメンバー7人は現在も逃亡中として国際手配されている。中村長官は「逃亡中の構成員の発見・検挙に向け、最大限努力したい」とした。
日本赤軍は2001年に解散を表明しているが、中村長官は、メンバーが逃亡しているなどとして「解散は形だけのものに過ぎない」と指摘した。
74年にオランダ・ハーグの仏大使館を占拠した「ハーグ事件」で殺人未遂などの罪に問われ、懲役20年の判決を受けて服役していた重信房子・元日本赤軍最高幹部(76)は5月28日に刑期を終えて出所。重信元幹部は「人質を取るなど、自分たちの戦闘を第一にしたことによって見ず知らずの人に被害を与えたことがあった。古い時代とはいえ、この機会におわびする」と述べている。【町田徳丈】