職場の上司から後援会への入会「圧力受けた」市職員15%

林外相(衆院山口3区)の後援会入会を巡る公職選挙法違反事件で、幹部職員2人が罰金の略式命令を受けた山口市は2日、市職員を対象に行ったアンケート調査の結果を公表した。約10年間で214人が職場で上司から選挙候補者の後援会入会申込書などを受け取っており、このうち、入会の圧力や要求を受けたと回答した職員が15%にあたる32人いた。
調査は、この10年程度の国政選と地方選の状況を尋ねた。再任用を含めた全職員1751人が対象で、1576人が回答した。
後援会入会申込書やパンフレットについて、「部下に配布した」と回答したのは39人。このうち、「入会の圧力・要求をした」としたのは4人だった。出陣式や決起集会などの案内については、454人が「受けたことがある」と回答。138人(複数回答)が「上司から受けたことがある」とし、このうち、20人が「参加の圧力・要求を受けた」と答えた。
元山口市職員の伊藤和貴市長は「経験に照らし、組織的な勧誘はないと思う」と当初は調査に否定的だったが、「客観的ではないとの意見もある」としていた。

副市長、組織的活動を否定

田中和人副市長は2日、記者会見で「地位を利用した組織的な選挙活動が行われていたとは認められない。常態化もしていなかった」と説明した。ただ、職場内での勧誘など「適切でない実態もあった」として、職員に候補者の入会申込書の配布を禁止するなどの対策を講じるとした。
事件を巡っては、山口県の当時の副知事も公選法違反で罰金の略式命令を受け、辞職した。県は実態調査を行い、3月に、幹部職員の6割が入会などの協力依頼を受け、98%が応じていたとの結果を発表した。