踏切内で視覚障害者誘導 死亡事故受けエスコートゾーン設置へ 奈良

奈良県大和郡山市の近鉄踏切で4月、全盲の女性が特急電車と接触して死亡した事故で、市は踏切内で視覚障害者を誘導する「エスコートゾーン」を設置すると明らかにした。障害者団体からの要望を受けて近鉄側と協議し、設置に合意。鉄道各社によると、県内の踏切にゾーンが設けられるのは初めてという。
事故は4月25日夕に発生。同市西岡町の近鉄橿原線「郡山第2号踏切」で、近くの高垣陽子さん(当時50歳)が特急電車にはねられて亡くなった。県警などの捜査で、高垣さんは遮断機が下り始めた際、自分が踏切内にいるのを把握できていなかった可能性があるという。
エスコートゾーンは点字ブロックに似た突起が付いた通行帯で、視覚障害者が進行方向などを把握しやすいようにする設備。現場の踏切を通る市道は道幅が狭く、市などは安全確保が必要と判断した。
市は7日深夜から設置工事をする予定で、「敷設後は視覚障害者団体に利用しやすさを検証してもらう」としている。ゾーンは踏切手前の点字ブロックと形状や幅を変える。近鉄の広報担当者も「安全対策について行政や警察と協力し、何ができるか考えていく」と話した。
事故を巡っては、国土交通省も踏切内の安全確保強化を検討しており、踏切手前と踏切内に点字ブロックの設置を求めていく方針。踏切に入ったことが分かるよう、踏切内のブロックは、手前のものと突起のパターンが違うものが望ましいとしている。【川畑岳志】