報道機関の女性記者が取材中に長崎市部長(当時)の男性から性暴力を受けたと認め市に賠償を命じた長崎地裁判決を巡り、市議会で6日、「女性が適切に対応していれば(性暴力は)容易に回避できた」などと訴訟で主張した市の姿勢を問う質問が出たが、市は「訴訟活動に関わる」として答弁しなかった。
池田章子市議(市民クラブ)が一般質問で市の姿勢を批判し、「女性記者はいまだに現場に戻れずにいる。これ以上、人権侵害を引き起こさないためにも、判決を受け入れ、謝罪すべきだ」と控訴しないよう求めたが、市は回答を避けた。
訴訟で市側は「女性は部長のセクシャルハラスメントの危険性に気付いていながら、取材優先の考え方から適切な対応を取らなかった」「当日の対応次第では事件を回避できた」などと述べ、女性に過失があったと主張。女性は取材に「絶対に容認できない」と答えた。
5月30日の地裁判決は、部長が職務上の関係に乗じて性暴力を振るい、市が2次被害を防止する義務に違反し、別の市幹部が虚偽情報を拡散させたと認定。市に慰謝料など1975万円の賠償を命じた。【高橋広之】