福岡県
篠栗
(ささぐり)町で2020年4月、5歳の三男を餓死させたとして、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の
碇
(いかり)利恵被告(40)の裁判員裁判の第4回公判が9日、福岡地裁(冨田敦史裁判長)であった。三男が「病院に行きたい」などと何度も助けを求めたのに、碇被告が共犯で起訴された知人の意向を
忖度
(そんたく)して対応せず、三男の呼吸が止まった際も119番しなかったことが明らかになった。
碇被告側は、知人の赤堀恵美子被告(49)の指示で、三男・
翔士郎
(しょうじろう)ちゃんに食事を与えなかったなどと主張。起訴状などによると、碇被告ら母子4人は19年初め頃から、赤堀被告が提供する食べ物だけで暮らしていたとされる。
この日の被告人質問での碇被告の説明などによると、赤堀被告は20年4月に入って食べ物の提供をしなくなった。翔士郎ちゃんはこの頃から「頭が痛い」と頻繁に訴え、「病院に行きたい」と言っていたが、碇被告は病院に連れて行かなかった。
また、翔士郎ちゃんが死亡当日、息をしていないことに気付いたとき、碇被告は赤堀被告に電話をしたが、119番はしなかった。碇被告は「何をするにも赤堀の許可が必要だった。病院に行くのも許されないと思った」と述べた。
その数時間前に翔士郎ちゃんがうずくまって動かなくなった際も、碇被告は赤堀被告に連絡。赤堀被告は碇被告宅に来て翔士郎ちゃんの様子を見たが、「大丈夫」と言って帰宅した。
翔士郎ちゃんは赤堀被告の夫の119番で病院に搬送されたが死亡した。自宅でうずくまったとき「ママ、ごめんね」と言ったが、それが最期の言葉となった。