無罪確定のプレサンス前社長・国賠訴訟、国は棄却求める 大阪地裁

学校法人「明浄学院」(大阪府熊取町)の土地取引を巡り、業務上横領罪に問われ、無罪が確定した不動産会社「プレサンスコーポレーション」(大阪市中央区)の山岸忍前社長(59)が大阪地検特捜部の違法な捜査で精神的苦痛を受けたなどとして、国に約7億7000万円の国家賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が13日、大阪地裁であった。国側は請求棄却を求め、争う姿勢を示した。
前社長は意見陳述で、「私が何より許せないのは、検察が何も反省していないことです。謝罪の言葉もなく、原因の究明や再発を防止するための方策も講じられていません。同じ過ちを繰り返してほしくない」と訴えた。
前社長は元法人理事長(64)=業務上横領罪で実刑確定=らと共謀し、2017年に高校の土地を同社に売却して得た手付金21億円を着服したとして特捜部に逮捕・起訴されたが、一貫して無罪を主張した。地裁は21年10月、前社長の関与を認めた元部下(57)=有罪確定=らの供述の信用性を否定し、無罪を言い渡した。検察側は控訴を断念した。
地裁は無罪を出した刑事裁判で、元部下を担当した検事が取り調べ中に「プレサンスの評判をおとしめた大罪人だ」「会社の損害を賠償できます? 10億、20億じゃすまない」と発言したと認定。「必要以上に強く責任を感じさせ、真実とは異なる供述に及ぶ強い動機を生じさせかねない」と検察の捜査を批判した。
訴状によると、前社長の関与を供述した別の不動産会社の元社長(55)=公判中=を担当した別の検事も、脅迫的な取り調べで虚偽の供述を誘導した。前社長側は「客観証拠を無視し、違法な取り調べもいとわずに暴走した」と主張。違法捜査で248日間勾留され、社長退任も余儀なくされたと訴えている。
前社長はこの検事2人を証人威迫などの疑いで刑事告発し、大阪地検が受理している。【山本康介、古川幸奈】