日本周辺で最近、中国軍やロシア軍の動きが活発化している。5月以降、両国の軍用機や艦船が相次いで日本領空・領海に接近するなどして、自衛隊がスクランブル(緊急発進)や警戒監視などで対応しているのだ。今秋の共産党大会が注目される中国では、盤石とみられていた習近平国家主席の「3期目政権」にほころびが指摘される。ロシアはウクライナ侵攻から100日以上過ぎたが、明確な戦果を示せないでいる。岸田文雄首相は10日夜、シンガポールでのアジア安全保障会議で基調講演で、「アジアに迫り来る挑戦・危機に、これまで以上に積極的に取り組む」と語った。中国、ロシア両軍が「異常行動」を増やす狙いは何か。 ◇ 「中国・ロシアによる日本への圧力は今後も増える。減ることなどないと考えるべきだ」 元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏はこう語った。 気になる詳細分析は後述するとして、防衛省統合幕僚監部が公表しているデータを抜粋=別表=しただけでも、中国、ロシア両軍の動きは不穏であり、無視できない。 例えば、中国海軍は5月3~21日、沖縄南方の太平洋上で、空母「遼寧」から300回を超える艦載機や艦載ヘリコプターの発着艦を行った。この異常行動を受け、防衛省は発着艦時の写真を連日公表した。中国国防省の呉謙報道官は不快感を示した。 実は、同月20日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に中国軍の「J16戦闘機」や「H6爆撃機」など計14機が進入して、台湾を挟み込むような動きを見せている。 ロシア軍の動きも活発化している。 海上自衛隊は9日、北海道東方の太平洋上でロシア海軍の駆逐艦など5隻を確認した。ロシア国防省は、海軍太平洋艦隊が10日までに太平洋で大規模演習を行うと発表しており、岸信夫防衛相は「注視する必要がある」と述べた。 ■外交、安保、サイバー、宇宙…あらゆる次元で日本は戦略を 中国軍とロシア軍の連携も指摘 中国軍とロシア軍の連携も指摘される。5月24日、両軍の爆撃機計6機が日本列島に沿うかたちで編隊飛行した。昨年11月以来で、同日には日本、米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」首脳会合が日本で開催されていた。 防衛省が7日に発表した「2022年度における緊急発進実施状況」によると、5月のスクランブルは119回で、前年同月の26回よりも4・5倍程度に急増している。中国によるスクランブルが93回、ロシアは26回で、日本の南西に集中している。
日本周辺で最近、中国軍やロシア軍の動きが活発化している。5月以降、両国の軍用機や艦船が相次いで日本領空・領海に接近するなどして、自衛隊がスクランブル(緊急発進)や警戒監視などで対応しているのだ。今秋の共産党大会が注目される中国では、盤石とみられていた習近平国家主席の「3期目政権」にほころびが指摘される。ロシアはウクライナ侵攻から100日以上過ぎたが、明確な戦果を示せないでいる。岸田文雄首相は10日夜、シンガポールでのアジア安全保障会議で基調講演で、「アジアに迫り来る挑戦・危機に、これまで以上に積極的に取り組む」と語った。中国、ロシア両軍が「異常行動」を増やす狙いは何か。
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「中国・ロシアによる日本への圧力は今後も増える。減ることなどないと考えるべきだ」
元陸上自衛隊東部方面総監の渡部悦和氏はこう語った。
気になる詳細分析は後述するとして、防衛省統合幕僚監部が公表しているデータを抜粋=別表=しただけでも、中国、ロシア両軍の動きは不穏であり、無視できない。
例えば、中国海軍は5月3~21日、沖縄南方の太平洋上で、空母「遼寧」から300回を超える艦載機や艦載ヘリコプターの発着艦を行った。この異常行動を受け、防衛省は発着艦時の写真を連日公表した。中国国防省の呉謙報道官は不快感を示した。
実は、同月20日、台湾の防空識別圏(ADIZ)に中国軍の「J16戦闘機」や「H6爆撃機」など計14機が進入して、台湾を挟み込むような動きを見せている。
ロシア軍の動きも活発化している。
海上自衛隊は9日、北海道東方の太平洋上でロシア海軍の駆逐艦など5隻を確認した。ロシア国防省は、海軍太平洋艦隊が10日までに太平洋で大規模演習を行うと発表しており、岸信夫防衛相は「注視する必要がある」と述べた。
■外交、安保、サイバー、宇宙…あらゆる次元で日本は戦略を 中国軍とロシア軍の連携も指摘
中国軍とロシア軍の連携も指摘される。5月24日、両軍の爆撃機計6機が日本列島に沿うかたちで編隊飛行した。昨年11月以来で、同日には日本、米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」首脳会合が日本で開催されていた。
防衛省が7日に発表した「2022年度における緊急発進実施状況」によると、5月のスクランブルは119回で、前年同月の26回よりも4・5倍程度に急増している。中国によるスクランブルが93回、ロシアは26回で、日本の南西に集中している。