福岡県篠栗(ささぐり)町で2020年4月に碇翔士郎(いかりしょうじろう)ちゃん(当時5歳)が十分な食事を与えられずに餓死した事件を巡り、保護責任者遺棄致死罪に問われた母親の碇利恵被告(40)は14日、福岡地裁での裁判員裁判で最終意見陳述をした。
白色の半袖シャツに黒のスラックスで証言台に立った碇被告は当初、冨田裁判長に「最後に何か言いたいことは」と尋ねられ「翔士郎が……」と一言。しばしの沈黙の後、ハンカチで涙を拭うと「翔士郎が亡くなったのは私の責任。それだけです」と述べた。握っていた手紙は読まずに席へ戻ったが、裁判長に許可を得ると自席で読み上げた。
碇被告は事件について「心から悔やみ、本当に反省している」と強調。翔士郎ちゃんについては「翔士郎を失ったことは、私にとって何よりもつらく悲しいことです」といい「一生謝罪を続ける」とした。
赤堀被告には「あの日、赤堀(被告)に声をかけたことを後悔している。声をかけなければ翔士郎も亡くならず、今も家族で幸せに暮らしていたと思う」と振り返った。その上で「赤堀(被告)と出会ったことは、人生で最大の失敗だった」と述べた。
翔士郎ちゃんら3人の子供については「子供たちが大好き。会いたい」と願った。最後に「しょう、ごめんね」と涙ながらに謝罪した。【平塚雄太】
読み上げた文書の内容
私は今回、事件を心から悔やみ、本当に反省しています。私の身勝手な行動により、いろんな人を巻き込み本当に反省しています。赤堀(被告)を信じ(赤堀被告が暴力団関係者と信じ込ませた)「ボス」を恐れ、翔士郎を守ってあげることができませんでした。翔士郎には一生謝罪を続けます。
翔士郎を失ったことは、私にとって何よりもつらいことで悲しいことです。でも、翔士郎が亡くなったことは私の責任です。長男、次男から弟を奪ってしまい、当たり前だった日常を奪い、悲しい気持ちにさせてしまったことも私の責任です。子供たちの母親として情けなかったです。3人の子供たちに、本当に心から謝りたいと思います。
私は子供たちが大好きです。子供たちに会いたいです。今は2人になってしまいましたが、私の中でずっと長男と次男と翔士郎の3人です。もう一度、子供たちの母親をやりたい。もしできるなら、3人の母親として生きてみたいと思います。
あの日、私は赤堀(被告)に声をかけたことを後悔しています。あの日、赤堀(被告)に声をかけなければ赤堀(被告)に出会うこともなく、翔士郎も亡くならず、今もきっと家族5人で幸せに暮らしていたと思います。赤堀(被告)と出会ったことは人生で最大の失敗でした。出会いたくありませんでした。
母や姉、親類や証人になってくれたAさん、元旦那さん、他にもたくさんの方々に助けられ、支えられました。感謝の気持ちはずっと忘れません。これから私は今までの自分を振り返り、一つ一つ反省し、謝罪の気持ちをもって生きます。翔士郎の供養もしていきます。
そして最後、翔士郎に伝えたいです。(涙ながらに)しょう、ごめんね。