知床事故で自粛していた同業者、運航開始「複雑な思いだ」…乗客「手を合わせたい」

北海道の知床半島沖で起きた観光船「KAZU I(カズワン)」の沈没事故を受けて営業を自粛していた別の運航会社が16日午前、新たな安全対策を導入して今季の営業運航を始めた。乗客からは「(事故の犠牲者に)手を合わせたい」という声が出ていた。
運航するのは、事故を起こした知床遊覧船とは別の、斜里町ウトロを拠点とする知床小型観光船協議会所属の2社。運航記録の保管状況などに関して国土交通省の監査で不備を指摘されていたが、是正した。同協議会は事故後、「安全運航に関する基本方針」を独自に策定。複数社で出航可否を判断することや、単独運航を回避することなどを盛り込んだ。
午前10時、乗客19人を乗せた遊覧船「DOLPHIN 3(ドルフィンスリー)」が、客を乗せていない僚船とともにウトロ漁港を出港。同協議会の担当者は「複雑な思いだが、一歩踏み出せたのはよかった」と話した。
親戚5人で知床を訪れたという東京都文京区の女性(66)は事故の犠牲者に手を合わせたいといい、「知床自体は魅力がある場所なので、早く元通りになるよう願っている」と語った。
同協議会には知床遊覧船以外に3社が加盟。うち1社は、同省の監査で指摘された不備について、是正がまだ認められていない。