石川県能登地方で観測された震度6弱の地震から一夜明けた20日、再び強い揺れが珠洲(すず)市などを襲った。「心が折れそう」。新型コロナウイルス禍から立ち直りかけていた飲食店からは再び宴会予約が消え、7月に地元最大級の祭りを控える関係者からも悲痛な声が上がった。(小川恵理子、前原彩希)
「ようやくコロナ禍も収まり宴会の予約も入っていたのに、店も当面は休業せざるを得ない。心が折れそうです」。珠洲市飯田町の居酒屋「酒肴 まつうら」の店主、松浦秀明さん(54)はうなだれる。
震度6弱の揺れに襲われた19日は、午後4時から約20人の宴会予約が入っていた。激しい揺れで棚から皿が降ってきたり、一升瓶が倒れたりした。
影響で20日以降の宴会予約はキャンセルに。コロナ禍による営業時間の短縮や酒類の提供中止を経て、ようやく通常営業を本格化させた直後の地震。松浦さんは「余震もいつまで続くか分からない。これからどうしたらいいのか」と表情を曇らせた。
地震は地元の伝統行事にも影を落とす。7月20、21日に開催の「燈籠山(とろやま)祭り」。今年は3年ぶりに勇壮な曳山が町内を練り歩く予定だが、祭りを運営する飯田町祭礼委員会の川元純(すなお)さん(41)は「やっとできると楽しみにしていた中での地震だった」とショックを隠せない。
コロナ以前であれば、例年1万人近くが訪れる地域最大級のイベント。主催者側は、現時点では予定通りの開催を目指すとしている。
度重なる地震に住民も神経をとがらせている。飯田町の無職女性(78)は地震のたび、自宅の壁の亀裂が大きくなっていると明かす。これ以上余震が続けば、亀裂がさらに広がる恐れもある。女性は「怖くて心配だ」と話した。