再審棄却「受け入れ難い」=弁護団ら憤り―大崎事件

「受け入れ難い」。大崎事件の再審請求を棄却した鹿児島地裁決定を受け、原口アヤ子さん(95)の弁護団は22日、鹿児島市内で記者会見した。森雅美弁護団長は「証拠の過小評価に基づく決定だ」と地裁の判断を批判した。
第4次請求審で請求人となった原口さんの長女、京子さんは、時折言葉を詰まらせながら、「悔しくてたまらない」と涙ぐんだ。改めて母親の無実を訴え、「母に伝えるのが残念でならない」と語った。
大阪市の女児焼死火災で再審無罪判決を受けた青木恵子さん(58)も駆け付け、「本当に許せない」と批判。湖東記念病院事件で再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(42)も、「何人の裁判官に裏切られたらいいんでしょうか」と声を震わせた。
弁護団の鴨志田祐美事務局長は「疑わしきは被告人の利益にという刑事裁判の鉄則を忘れている」と述べ、即時抗告する意向を表明。佐藤博史弁護士は、救命救急医による医学鑑定の証明力が限定的に認められたことに触れ、「首の皮一枚の決定とも言える。前進はしている」と強調した。
[時事通信社]