受給者「やっと報われた」 生活保護費引き下げ判決で「連勝」

国の生活保護費引き下げを違法とした24日の東京地裁判決に、受給者らからは「やっと報われた」と喜びの声が上がった。昨年2月に大阪地裁が違法と判断して以降、同種訴訟は受給者側敗訴が続いたが、熊本地裁が5月に出した2例目の違法判決に続く「連勝」となり、原告弁護団は司法判断の風向きが変わることに期待を寄せた。
「法廷で判決を聞いてもよく分からなかったが、弁護士から勝ったと聞いた。とても良かった」。東京都新宿区の受給者女性(71)は判決後の記者会見でほっとした表情を浮かべた。
女性は幼少時に父親を亡くし、生花店や介護ヘルパーの仕事をしながら母親と2人で暮らしてきた。2003年に82歳だった母を亡くし、翌年には持病のリウマチで思うように働けなくなった。あっという間に貯金が底を突き、手元のお金が1万円を切ったところで区に生活保護を求めた。
現在は1DKの都営住宅で、年金5万円と生活保護費4万円の月9万円で一人暮らす。テレビはなく、唯一の楽しみはラジオだ。水道代を節約するために風呂は水位を下げて入る。コツコツとためているのは、急な出費に備えてのこと。水道の蛇口修理に5万円、腰を痛めてコルセット代にも3万5000円を使った。不安は尽きない。
13~15年の生活保護費の引き下げを受け、困窮者支援団体の呼び掛けに応じて15年に提訴した。7年がかりの勝訴判決に、「国は(控訴せず)これ以上裁判を長引かせないでほしい」と訴える。
原告弁護団長の宇都宮健児弁護士は「国の裁量権を大きく認めて原告の請求を棄却する『右に倣え』の判決が続いていたが、東京地裁判決は(訴えに)真正面から向き合ってくれた」と評価。「大阪、熊本に続く勝訴判決は、今後の各地の裁判に大きな影響を与える」と話した。【遠藤浩二】