《派遣型マッサージ店の女性従業員に乱暴したとして、強制性交罪に問われた俳優の新井浩文=本名・朴慶培(パク・キョンベ)=被告(40)の弁護側被告人質問が続いている》
《新井被告は性交後、一度寝室を離れてリビングに行ったという》
新井被告「寝室に戻ろうと思ったとき、リビングのテーブルの上に財布があり、ちょっとの不安があったので、中のお札を全部取り、(新井被告が着ていた)ハーフパンツのポケットに入れました」
弁護人「何が不安だったんですか」
新井被告「同意じゃなかったのかな、とかです」
弁護人「ほかにお金を手にした理由はありますか」
新井被告「表方の仕事をしていたので、あまり人に言ってほしくないと思ったこともあります」
弁護人「それでどうしたんですか」
新井被告「寝室に戻り、Aさん(被害者の女性)は帰り支度をしていて、その中で2、3個会話をして玄関の方へ行きました」
《新井被告は背筋を伸ばし、はっきりとした口調で答えていく》
《新井被告が「また呼んでいいですか」と聞くと女性は「いや、お店に聞いてみてください」と答えた。ほかに、女性の携帯電話の番号や、住んでいる場所などを尋ねたという》
弁護人「なぜまた呼んでいいか聞いたのですか」
新井被告「マッサージが上手だったからです」
弁護人「その後はどうしたんですか」
新井被告「Aさんが靴を履いてから『口止めとかじゃないけどもらってください』とお札を渡しました」
《しかし、女性はお札を受け取らず、「風俗店じゃないんです」と言い、新井被告は「そうです、分かってます」と答えたという》
《ここで質問は、問題の性的行為の場面に移った》
弁護人「手首をつかんだ場面について、Aさんはどういう反応でしたか」
新井被告「手をつかんだときにはちょっと引かれました」
弁護人「強さは?」
新井被告「すごいいっぱい力強くという感じは全くしなかったです」
弁護人「新井さんの強さは?」
新井被告「すごい強い力で引っ張ったりはしていないです」
弁護人「言葉は?」
新井被告「『いや、だめです。そういうお店じゃない』というようなことをおっしゃっていたと思います」
弁護人「口調は?」
新井被告「柔らかく物静かでした」
弁護人「強い口調ではない?」
新井被告「なかったです」
弁護人「(ズボンを脱がせる場面で)Aさんはズボンをつかんだと証言していますが、ズボンを引っ張り合うことはありましたか」
新井被告「引っ張り合うようなことは1回もありません」
弁護人「Aさんがズボンを引っ張ったらどうしましたか」
新井被告「脱がせなかったと思います」
《新井被告の口調が一層力強くなった》
弁護人「Aさんから『いれないで』と言われましたか」
新井被告「言われていないです」
弁護人「(Aさんが)陰部を隠すしぐさは?」
新井被告「していなかったです」
弁護人「『いれないで』といわれたり陰部を手で隠すしぐさがもしあったら、どうでしたか」
新井被告「挿入していなかったと思っています」
弁護人「そこでやめたということですか」
新井被告「はい」
弁護人「Aさんの証言では両手で頭をつかみ、(陰部を)なめてといわれたそうですが、そういうことをしたのですか」
新井被告「やってません」
弁護人「両手で頭をつかんだことは?」
新井被告「ないです」
弁護人「(陰部を)口に押し当てたことは?」
新井被告「ありません」
《ここで質問者が、男性弁護人から女性弁護人に交代した》
弁護人「話題を変えます。オイルマッサージを頻繁に利用し始めたのはいつからですか」
新井被告「3~4年くらい前にぎっくり腰になってからです」
《新井被告は性的な欲求を満たすときは風俗店、体が疲れたときはマッサージ店を利用していたという》
弁護人「甲店(Aさんが所属していた店)の認識は?」
新井被告「風俗じゃないマッサージです」
弁護人「体の疲れを癒やす方のオイルマッサージで、性的なサービスを受けたことはありますか」
新井被告「あります」
《新井被告はオイルマッサージで、わいせつな行為や性行為をしたことがあり、店外で会って性行為をしたこともあるという》
弁護人「断られたときはどうするんですか」
新井被告「何もしません」
弁護人「しつこく誘うことはしますか」
新井被告「しません」
弁護人「黙って腕をつかむとかは?」
新井被告「しません」
弁護人「なぜしないんですか」
新井被告「そういうお店じゃないと思っているからです」
弁護人「どういうお店だと思っているんですか」
新井被告「風俗店ではないが、限りなくグレーゾーンに近い店だと思っています」
弁護人「なぜ今回やめなかったのですか」
新井被告「『だめです』とは言ったものの、股間ギリギリのところまでマッサージしてくれました」
《新井被告は「それと…」と言葉をつなぎ、服を脱がしたときや、いくつかのわいせつ行為を挙げ「抵抗がなかったからです」と答えた》
弁護人「抵抗がなく、どう思いましたか」
新井被告「同意があったと思いました」
《弁護人によると、事件のあった昨年7月1日以降、新井被告は10回以上、甲店に電話したという》
弁護人「なぜですか」
新井被告「Aさんの本心を聞きたかったのと、甲店自体出入り禁止になっているのかの確認、あと普通にマッサージをしてほしかったからです」
弁護人「Aさんの本心とは?」
新井被告「同意があったのかなかったのかです」
弁護人「Aさんを呼べましたか」
新井被告「呼べませんでした」
《女性の証人尋問では、女性は新井被告から被害弁償の申し出があったと証言した》
弁護人「いくらで、その理由は?」
新井被告「1千万円提示しました。理由はAさんに謝罪の意味も込めていて、あとは起訴されたくなかったからです」
弁護人「1千万円はなぜですか」
新井被告「当時の自分の残高と、払える限度額が1千万円だったからです」
弁護人「提示してどうなりましたか」
新井被告「断られました」
弁護人「最終的には?」
新井被告「2千万円です」
弁護人「どうやって準備する予定だったんですか」
新井被告「当時の事務所が肩代わりしてくれるということでした」
弁護人「今後、示談は?」
《この質問に対し、考え込むような沈黙があった》
新井被告「Aさんと私は意見が違うところがあります。同意があったと誤信しているのは認めています。なので、Aさんに対しては謝罪も込めて誠意を持って対応したいと思っています」
《一言一句、言葉を選ぶように慎重に、ゆっくりと話す新井被告》
弁護人「誤信を認めているというのは」
新井被告「当時合意があったと思っていましたが、今回の裁判でもそうですが、Aさんの意見を聞き…」
《ここで数秒、新井被告は口を閉じ、弁護人もしくは自身に向けてか、「ごめんなさい、もうちょっと分かりやすく」などと言葉を挟んで続けた》
新井被告「性行為をしてしまったことは私が悪いと思っています。暴力行為、脅迫行為は一切やっておりません」