北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、国土交通省は25日、有識者による事故対策検討委員会での検討内容について乗客家族向けの説明会を行った。検討委では関係法令の改正による規制強化を含めた小型旅客船の安全対策を議論しており、同省はこの日に家族から寄せられた意見も踏まえ、7月に中間取りまとめを公表する予定としている。
説明会は対面とオンラインの併用で約2時間非公開で行われ、乗客家族25人ほどが参加した。カズワンの運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)は事故前、桂田精一社長を運航管理者として届け出た際に「3年以上の実務経験がある」との要件を満たすと虚偽申告していたことから、説明会では家族から「国が事業者にだまされないようにしっかりとやってほしい」との意見があった。船の運航判断について「運輸局が強制力を持って一律でチェックできないか」との声も上がったという。
また、今回の事故では国の代行機関として検査を担当していた日本小型船舶検査機構(JCI)札幌支部が、陸上と海上の船との通信手段について同社が申請した携帯電話が航路の大半で通信圏外となるにもかかわらず認め、事故当日に船が救助を求めた118番は乗客の携帯からだったことも判明している。この点について、家族からは「JCIの監督をしっかりやってほしい」との意見も寄せられたという。
説明会終了後、報道陣の取材に応じた国交省の担当者は「ご家族のご意見はしっかりと受け止めていきたい」と話した。【木下翔太郎】