NHK経営委員長、上田会長への厳重注意に「適切な視聴者対応が行われているかを監督することは経営委員会として重要な責務」

かんぽ生命保険の不正販売問題を報じたNHKの番組を巡り、NHK経営委員会(委員長・石原進JR九州相談役)が昨年10月、日本郵政グループの抗議を受け「ガバナンス(企業統治)強化」の趣旨でNHKの上田良一会長を厳重注意していたことが26日、分かった。会長への注意は異例。
石原委員長は「番組に介入する意図は全くなかった。番組担当者が、郵政側に『制作の責任は会長にはない』などと間違った説明をしたことに注意した。会長は適切に対応してほしいという趣旨だった」と説明した。
関係者によると、発端は昨年4月に放送された「クローズアップ現代+(プラス)」の「郵便局が保険を“押し売り”!? 郵便局員たちの告白」。番組はネット上に情報提供を呼び掛ける動画を投稿し、営業の在り方を追及した。
番組放送後、制作現場では新たな動画を投稿して続編を準備。この動画について郵政側は上田会長側に「組織ぐるみでやっているような印象を与える」として削除を要請。やりとりの中で番組担当者が郵政側に「会長は制作に関与しない」との趣旨の説明をした。
これに対し郵政側は、経営委に文書でガバナンス体制の強化を要請。経営委は、こうした経緯を問題視し、昨年10月に上田会長を注意した。
委員長の石原進JR九州相談役は「視聴者の皆さまからのご意見やご指摘に真摯に向き合うことは視聴者対応の基本であり、適切な視聴者対応が行われているかを監督することは、経営委員会として重要な責務です。郵政グループからの申し入れについて、会長に対し、視聴者目線に立った対応が行われるよう必要な措置を講ずることを伝えました。放送法第32条の規定のとおり、経営委員会が番組の編集に関与できないことは十分認識しており、自主自律や番組の編集の自由を損なう事実はございません」とのコメントを発表した。