福島・大熊町、帰還困難区域の一部で避難指示解除…第一原発立地自治体で初めて

東京電力福島第一原発事故による帰還困難区域のうち福島県大熊町の一部について、政府は30日午前9時、避難指示を解除した。帰還困難区域で住民の居住が可能になるのは葛尾村に続いて2例目で、同原発の立地自治体では初めて。
解除されたのは、JR常磐線大野駅周辺の特定復興再生拠点区域(復興拠点)約8・6平方キロ・メートルで、政府が除染を優先的に行った。面積は6町村に設定された復興拠点(計約27・5平方キロ・メートル)の中で最大。かつて町役場などがあった中心部で、2233世帯5888人(27日時点)が住民登録している。
大熊町は原発事故で全町民が避難した。2019年4月に放射線量が比較的低い大川原・中屋敷地区、20年3月に大野駅や周辺道路などの避難指示が解除されたが、避難の長期化で町民の帰還意欲は低い。復興庁の21年度の調査で「戻りたい」と答えた町民は約13%。今回の解除地域も、帰還に向けた「準備宿泊」の登録者は18世帯49人だった。
町は帰還や移住を促進するための環境整備を進める方針だ。5年後をめどに、解除地域の居住者を2600人に増やし、町全体の居住人口を原発事故前の約3割となる4000人にする目標を掲げている。
この日は防災行政無線で避難指示解除が伝えられ、警察などがパトロールに出発した。吉田淳町長は「震災前のにぎわいに近づけるためには、まだまだ時間がかかる。今日はゴールではなくスタートだ」と述べた。
今後、双葉町は7月以降、浪江町、富岡町、飯舘村は来春に復興拠点の避難指示解除を予定している。