収入の一部を申告せず所得税を脱税したとして、名古屋国税局は5日、名古屋市天白区の産婦人科医院「中谷レディースクリニック」の中谷
剛彬
(たかよし)院長(80)を所得税法違反容疑で名古屋地検に告発したと発表した。告発は先月30日付。
発表などによると、中谷院長は自由診療扱いの人工中絶で得た報酬の一部を収入から除外。2020年までの4年間で約1億2300万円の所得を隠し、所得税約3800万円を脱税した疑いがある。隠した所得は事業資金や遊興費に充てていたとみられる。
保険診療の治療費は、患者負担分以外は医療機関側が保険組合などに請求するが、保険が利かない自由診療では全額が患者負担で、額も医療機関が独自に決められる。中谷院長はこの仕組みを悪用したとみられ、取材に対し、「遊びの感覚でやってしまった。(指摘は)当然だと思う。近く修正申告する」と話している。