8日午前11時半頃、奈良市西大寺東町の近鉄大和西大寺駅前の路上で、参院選の街頭演説中だった自民党の安倍晋三・元首相(67)が、男に銃撃された。安倍元首相は救急車とドクターヘリで奈良県立医科大学付属病院(橿原市)に搬送された。消防によると、心肺停止の状態とみられる。
警察関係者によると、安倍元首相は、背後から胸などを散弾銃で撃たれたとみられる。発砲音が2回あったとの情報がある。
現場で警察官が男1人の身柄を確保し、午前11時32分、殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。
男は、奈良市大宮町に住む職業不詳の山上徹也容疑者(41)。至近距離から発砲したとみられ、銃が見つかった。県警が奈良西署で取り調べを行う。
現場では読売新聞の記者も参院選の取材中だった。安倍元首相が聴衆に囲まれて台の上で演説中に、銃のようなものを持った山上容疑者が後ろから近づいた。「ドーン」という大きな発砲音がして、安倍元首相がその場に倒れ込んだ。
安倍元首相はこの日、午前11時20分頃から、自民党公認候補の応援演説に訪れていた。マイクを握り、自民党候補者の紹介を始めてまもなくして撃たれた。
現場では、「救急車、救急車」「医療関係者、来てください」などと関係者のどなり声が響き、聴衆からは悲鳴が上がった。救急車は約15分後に到着した。
安倍氏は2020年9月に持病の潰瘍性大腸炎の悪化を理由に首相を退いた後、21年11月に自民党最大派閥の安倍派の会長に就任し、党内で大きな影響力を行使してきた。
特に、自身が首相時代に進めた経済政策「アベノミクス」の継続や、防衛力強化に強いこだわりを持ち、岸田内閣が6月に策定した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」では、安倍氏の意向が大きく反映された。
保守層を中心に根強い人気があり、参院選では全国各地へ応援に回っていた。8日は奈良県の後、京都府と埼玉県で街頭演説を行う予定だった。