京都への移住と結婚を同時にかなえる「移住婚」の支援に、京都府が乗り出す。都道府県レベルでは全国初の取り組みという。府内の出生数が過去最少に落ち込むなど、人口減への危機感がある中、新型コロナウイルス禍で地方移住に関心を寄せる若者を取り込みたい考えだ。
府の婚活支援施設「きょうと婚活応援センター」(京都市中京区)と、日本婚活支援協会(東京都)が協力して進める。センターには5月末時点で、結婚を希望する947人(男505人、女442人)が登録し、この府民らと、協会のホームページから登録した府外在住の独身の男女をマッチング。オンラインでのお見合いを仲介し、カップル成立後も移住する市町村や就労先などを紹介する。支援は無料で受けられる。
出生数過去最少で危機感
背景には、人口減に対する府の根強い危機感がある。厚生労働省によると、2021年の府内の出生数は1万5818人。前年度から622人(3・8%)減り、比較可能な1960年以降で最少だった。1人の女性が生涯に産む子供の数を示す「合計特殊出生率」も1・22と、前年から0・04ポイント減。都道府県別で40位にとどまっている。
一方、コロナ禍で移住や結婚への関心は高まっている。内閣府が21年9~10月に実施した意識調査で、地方移住に関心を寄せる東京圏の20代は44・9%。コロナ禍前の19年末より12・8ポイント上昇した。結婚への関心も、未婚の20代の34・9%がコロナ禍前に比べて「高くなった」「やや高くなった」と回答した。
福島などでは5組が交際
この状況を受け、協会は20年に移住婚の支援サービスを開始。福島県会津若松市や北海道美幌町など、7市町村への移住希望者を受け付けてきた。これまで5組の交際が成立したが、結婚に至った例はまだないという。
府への移住希望者の登録は、6月に受け付けを始めた。どれほどの成果があるかは未知数だが、西脇隆俊知事は「京都に興味を持っている方は多いと思うので、選択肢を増やす意味で、まずはやってみようということ。子育て環境の整備を粘り強く進めたい」と語った。【添島香苗】