安倍晋三元首相が銃撃されて死亡した事件を受け、奈良県警の鬼塚友章本部長は9日に記者会見し、「警護、警備に問題があったことは否定できない。本部長として痛恨の極みで、27年余の警察官人生で最大の悔恨だ」と謝罪した。県警トップが自ら会見を開くのは異例。
鬼塚本部長は安倍氏の警護計画書を自ら承認したと説明。「警護の態勢か配置状況なのか、個々の警護員の能力なのか、さまざまな問題点を早急に確認し、対策の見直しをはかっていく必要がある」と述べ、警察庁と連携して検証する考えを明らかにした。
安倍氏の警護を巡っては、県警が警備部参事官をトップとする態勢を組み、警視庁のSP(セキュリティーポリス)も派遣されていた。警護にあたった警察官の人数は明らかにされていない。
鬼塚本部長は報道陣から進退について問われると、「現時点でまずは事件の真相解明に向けて捜査を指揮し、問題点の洗い出しなどについて早急に対応していくことが私の責任だ」と語った。【川畑さおり、清水晃平】