昨年2月、埼玉県志木市内の交番で交番相談員の男性を刃物で複数回切りつけたとして、殺人未遂罪などに問われた新座市東北、無職加藤耕太郎被告(22)の裁判員裁判の初公判が11日、さいたま地裁(金子大作裁判長)であった。加藤被告は罪状認否で起訴事実を認めた。判決は26日。
起訴状では、加藤被告は同月12日午前11時過ぎ、東武東上線志木駅東口にある朝霞署志木駅東口交番で、交番相談員の男性(当時65歳)の上半身を、文化包丁で複数回にわたり切りつけ殺害しようとしたとしている。男性は左腕などに2週間のけがをした。
検察側は冒頭陳述で、当時の加藤被告が自殺を考えていたものの、「自殺は怖いから警察官を殺して死刑になろう」と思いついたと指摘。この時期に死刑が求刑された2018年6月の富山市交番襲撃事件を参考にして犯行に及んだと説明した。弁護側は、加藤被告は発達障害の一種「自閉スペクトラム症」で、その影響があったと主張した。