名古屋・屋上女性遺体の身元判明 容疑者から暴力受け警察に相談

名古屋市中区栄4の雑居ビル屋上で女性の遺体が見つかった事件で、愛知県警港署捜査本部は13日、遺体は同市港区高木町4、派遣社員、浜本涙美(るみ)さん(25)と発表した。また、浜本さんが事件前、死体遺棄容疑で逮捕された職業不詳の望月壮真容疑者(26)から暴力を振るわれたと同署に相談していたことを明らかにした。捜査本部は2人の関係を調べるとともに、望月容疑者が死亡の経緯を知っているとみて追及する。
捜査本部によると、浜本さんの交際相手を名乗る男性が5月16日に「浜本さんが知人に殴られた」と同署に相談。同署が同19日に浜本さんから電話で事情を聴くと、浜本さんは「1年以上連絡を取っていない男性が5月15日夜に自宅近くに突然現れ、復縁を求めてきた。断ると両ほおをビンタされた」と説明。男性について「名前は『ソウ』だが、本名や住所は分からない。連絡先も消したので分からない」と話し、被害届を提出しなかったという。
同署は男女間トラブルの可能性があるとみてストーカー事案を担当する部署と情報を共有。浜本さんには2人だけで会うのを避け、自宅から一時避難するよう指導した。6月8日に再び浜本さんに連絡すると「トラブルは大きくなっていない」と話したという。一連の対応について、斉木敏博・捜査1課長は「『ソウ』という名前だけで相手を特定することはできなかった」と説明した。
望月容疑者は捜査本部の調べに対し「(浜本さんに)好意があった」との趣旨の話をしているという。
捜査本部によると、浜本さんは7月2日午後9時~9時半に自宅を出た後、行方不明となったという。
この事件では、浜本さんの交際相手を名乗る男性が同3日、「彼女と連絡が取れない」と同署に相談。浜本さんと最後に会ったとみられる望月容疑者から事情を聴いたところ「住んでいるビルの屋上に遺体がある」と説明。屋上を捜索し、壁の中の空間から遺体が見つかった。【森田采花】
父親がコメント発表
浜本さんの父親は13日、県警を通じてコメントを発表した。
コメントは次の通り。
突然娘がいなくなり、不安な日々を送っていました。このような形で帰宅するとは思っていませんでした。今の気持ちをどのような言葉で表現すればいいのか分かりませんが、とても苦しく、つらいです。犯人に対しては絶対に許すことができません。できる限りの罰を与えてほしいと思っています。