神戸市の小中学校で教員不足が深刻だ。精神疾患などによる病休や産休取得が増える一方で補充はなく、前年比24人増の教員26人が足りない状態になっている。学校現場からは「いつ限界がきてもおかしくない」との声が上がっている。
市教委によると5月1日時点で、市立の小中高と特別支援学校の計263校のうち、小学校で19人(前年比17人増)、中学校で7人(同7人増)が不足していた。
小学校で非常勤講師を務める60代の女性は「現場の負担増が全く改善されない」と嘆く。定年退職後に校長から「教師が足りない。短時間勤務でいいから戻ってほしい」と依頼を受け、4年前から、特定教科を教える専科教員として週3回、出勤している。
この小学校では、4~7月までにいずれも30代の男性と女性の教諭が、業務過多による体調不良で休職した。2人は学級担当だったが補充はなく、学校のスケジュール管理や生徒指導を担う40代の男性教諭2人が代役を務める。女性も専門外の授業を請け負うなどし、総動員でカバーしているという。
男性教諭2人は市内で3年ぶりに再開したプールの授業も担当している。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたことによる行事の再開で、教員の残業時間は増えているという。女性は「現場の教師はいつ倒れてもおかしくない状況。早急に職場環境を改善してほしい」と訴える。市教委は「授業の補助や事務処理を担う支援員を派遣し、現場の負担軽減に努めたい」としている。【中田敦子】
文科省「特別免許状制度」積極活用求める
文部科学省の初調査で2021年4月の始業日時点で、全国の小中高などの公立学校で2558人の教員不足が判明した。調査対象となった3万2903校の5・8%にあたる1897校で不足しており、文科省は22年4月、都道府県教委に教員免許がなくても知識や経験のある社会人を教員採用する「特別免許状制度」の積極活用を求めた。
兵庫県内の神戸市を除く公立校では22年5月1日時点で、小学校46人(前年比24人増)▽中学校46人(同11人減)▽高校16人(同11人増)▽特別支援学校6人(同4人増)――の計114人(同28人増)の教員が不足していた。県教委は特別免許状制度の活用や、臨時免許状(3年有効)を発行するなどし、「年度途中でも欠員を補充できる人員確保に力を入れる」としている。
また、神戸市を除く県内公立校の教員志望者は減少している。23年度採用試験の応募者倍率は5・2倍(前年度比0・1ポイント増)で1987年の統計開始以来、過去2番目の低さだった。学生の減少や多忙な教育現場を敬遠したことが要因とみられ、県教委は「大学訪問や募集要項を工夫して受験者を確保したい」としている。