奈良市で応援演説中の安倍晋三元首相が銃撃され死亡した事件で、殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(41)の伯父(77)が15日、取材に応じ、山上容疑者の母親(69)の宗教団体への献金の実態について証言した。山上容疑者は、この宗教団体に強い恨みを抱き、団体と接点のあった安倍氏を銃撃したという趣旨の説明をしている。
宗教団体は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)。1954年に韓国で「世界基督教統一神霊協会(統一教会)」として設立され、日本では2015年に名称が変更された。
山上容疑者の伯父によると、山上容疑者の母親は91年に旧統一教会に入会した。入会時に2000万円、そして数日後に3000万円を献金したという。約3年後にはさらに、1000万円を献金した。98年以降も4000万円を献金し、総額は少なくとも1億円に上るという。
一方、世界平和統一家庭連合側は、山上容疑者の母親は98年ごろ、旧統一教会に入会し、2005年から14年までの約10年間に計5000万円は返金した、としている。
山上容疑者は「母親が多額のお金を振り込んで破産した。10代の頃から教会を恨んでいた」などと供述。安倍氏も教会を日本で広めたと捉え、敵視するようになったと説明している。
奈良県警は、多額の献金が山上容疑者の強い恨みにつながった可能性があるとみて、背景を調べている。【田畠広景、隈元悠太】