「政務活動費で上京」の市議、面会先と報告された官庁は「名前も知らない」と否定

滋賀県高島市の

万木
(ゆるぎ)豊市議(58)(4期)が3月、政務活動費を使って上京したとする視察報告書に虚偽の疑いがあることがわかった。報告書に面会先として記された省庁の担当者に読売新聞が確認したところ、いずれも面会を否定した。市議会は、虚偽の報告書で政活費を不正に使っていた場合、虚偽有印公文書作成や詐欺罪にあたる可能性があるとして、今後の対応を協議する。
市議会事務局によると、万木氏は3月29~30日、国土交通、文部科学、環境、農林水産の4省を訪れ、豪雪地帯への国の財政措置などについて説明を受けたとする視察報告書を同31日に議長に提出。調査旅費として政活費から約4万5000円を支出したとしていた。
今年5月、報告書を閲覧した市民から「面会先が記されていない」との指摘が議会側にあり、議長が万木氏に報告書の再提出を要請。これを受けて万木氏は、4省の担当者6人の連絡先が記された一覧表を提出した。
しかし、議会事務局がこの6人に問い合わせると、長期出張中の1人を除く5人が面会を否定。読売新聞の取材では、6人全員が「(万木氏の)名前も知らない」などと述べた。
万木氏は「(知り合いの)国会議員秘書と一緒に回った」と議会事務局に説明しているが、この秘書は読売新聞の取材に同行を否定。万木氏に一覧表の作成を頼まれ、国交省に依頼したとしている。
万木氏は、議会事務局に調査旅費の返還を申し出たが、事務局は対応を保留している。読売新聞は万木氏に取材を申し込んだが、16日午前の時点で応じていない。