第3セクター「粟島汽船」の40代総務部長が発案、給与水増し2286万円支給

粟島汽船(新潟県粟島浦村)は15日、手当など計約2286万円を不正に支給させたとして、40歳代の男性総務部長と50歳代の男性総務課長を懲戒解雇にしたと発表した。同社は刑事告訴を検討している。
発表によると、2人は昨年3月~今年5月、給与改定通知書を偽造して事務担当職員に渡すなどし、役職手当などの名目で元部長は計約947万円、元課長は計約590万円を口座に振り込ませた。他の職員24人へも計約748万円を不正支給させた。不正は元総務部長が発案したという。処分は元部長が今月6日付、元課長は8日付。
6月に同社の顧問会計事務所から指摘を受け、調査したところ発覚。2人は不正を認め、元部長は旅行費用や車の購入費などに充てたと説明しているという。元部長から未回収分約534万円、元課長から約9万円の返還を求め、他の職員からも返還させるという。同社は再発防止に向けた第三者委員会を設置する方針。
同社は粟島浦村や県、村上市などが出資する第3セクター。社長の本保建男村長は「公的資金を受けている会社に、あってはならない不祥事」と謝罪した。