2年連続でクラゲの新種発見 新江ノ島水族館、舞台裏伝える展示

神奈川県藤沢市の新江ノ島水族館で同水族館の飼育員、山本岳さん(28)らが発見した新種「オトヒメクラゲ」(標本)の展示が始まった。傘の大きさ1センチほどの小さなクラゲだが、近縁のウラシマクラゲとの比較で、特徴が分かりやすく解説され、新種発見の舞台裏が感じられる展示になっている。
オトヒメクラゲはウラシマクラゲ科の新種で、傘の縁から伸びる触手がウラシマクラゲの2倍の8本あるのが特徴だ。2008年、アクアワールド茨城県大洗水族館が初めて採取し、山本さんの呼びかけで15年から調査が始まった。クラゲ研究で有名な高知県の黒潮生物研究所も参加し、DNA分析などで、22年6月に新種と突き止めた。
山本さんは21年にも新種「ワタボウシクラゲ」を突き止めており、2年連続の新種発見となる。生態はなぞが多いが、江の島周辺でも夏場に採取されており、生きた個体の展示も予定している。【因幡健悦】