中1自殺調査、大阪府泉南市が「放置」 第三者機関「異常な状態だ」

大阪府泉南市で3月、市立中学1年の男子生徒(当時13歳)が自殺する事案があり、遺族が市の第三者機関を通じていじめの有無などについて検証を求めているにもかかわらず、市側が事実上放置していることが判明した。第三者機関の「市子どもの権利条例委員会」が20日記者会見を開き、「4カ月も調査されていないのは異常な状態だ」と批判した。
条例委は「市子どもの権利に関する条例」に基づいて市長が設置。有識者ら5人で構成し、子どもの人権が守られているかなどを検証し、市長に報告している。個別案件の調査権限はないが、生徒の母親から相談を受け、「条例に反する事態」と判断したという。
条例委や母親によると、生徒は小学3年ごろから学校での悪口や教師との関係に悩み、断続的に不登校となった。中学進学後、小学校時の不登校について悪口を言われ、教師や市教育委員会にも相談したが状況は変わらなかった。2021年秋から再び不登校に。22年3月18日、家族に「遠いとこに行く」と言い残して行方不明になり、翌日、自宅近くで遺体が発見された。
条例委は会見で、自殺から4カ月が経過しても教育委員会への報告や審議が行われていないと指摘。母親から聞き取った内容や市教委への意見を報告書にまとめて市長に渡そうとしたが拒否されたという。
一方、市教委は取材に、学校への聞き取りなど基本的な調査は3月下旬ごろに実施したと説明。遺族の信頼を得られず、事実関係の確認ができないため、本格的な調査や教育委員会での審議ができていないことを認めた上で、「速やかに調査しないといけないと思っている」と釈明した。
母親は毎日新聞の取材に「小学生の頃から学校や市教委に相談してきたが改善されず、不信感がある」と話し、第三者委員会による調査を求めた。生徒は子どもの権利に関心があり、枕元に「こども六法」を置いて勉強していたという。「自ら行動して不合理と闘おうとしていた。このまま事実が公表されなければ息子の存在がなかったことになってしまう」と涙ながらに訴えた。【榊原愛実】
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