平成28年9月に東京都内で開催された過激派・中核派系の全日本学生自治会総連合(全学連)の集会で参加者を制止した警視庁公安部の警察官の行為を巡り、全学連側が東京都と警察官に計1200万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が21日、東京高裁であった。石井浩裁判長は、警察官の行為は「適法だった」として都に計120万円の賠償を命じた1審東京地裁判決を取り消し、原告側の請求を棄却した。
昨年5月の1審判決は、警察官が集会の参加者のフードをめくったり、体を押さえたりした行為が「職務質問や犯罪の制止行為の要件を満たしていなかった」として違法な公権力の行使と認定。一方で警察官個人への請求などは退けており、双方が控訴していた。
判決理由で石井裁判長は、集会当時、指名手配犯を含めて逮捕状が出ている中核派の活動家が多数おり、公安部は指名手配犯が紛れ込む可能性が高いと考えていたと指摘。集会の参加者がフードやマスク、サングラスなどで顔を隠していたのは「異常な挙動」で、犯罪を疑うに足りる状況だったとした。
職務質問に伴い参加者の顔を確認するためにフードをめくったりする行為は適法で、もみあいになった際に体を押さえたりするなどの行為も「警察官に危険が及ぶ恐れがあり、合理的」と、それぞれ結論づけた。
警視庁訟務課は21日、「当方の主張が認められたものと認識している」とのコメントを出した。