「急病でも助けられない」沖縄の医療、人手不足の危機…感染・濃厚接触で939人欠勤

爆発的な感染拡大が続く沖縄県の医療体制が危機に陥っている。コロナ病床の

逼迫
(ひっぱく)だけではなく、1000人近い医療従事者の欠勤で人手が不足し、一般診療を含めて救急や入院の受け入れを制限する病院が出ている。感染者は今後も増加するとみられ、現場からは「強い対策」を望む声も上がる。

「明日、あなたの家族が急病になっても助けられない。そういう状況だ」
19日夜、県の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議に参加した琉球大学病院の仲松正司医師は訴えた。
県内では7月に入って感染者数の最多更新が続き、20日には初めて5000人を超えて5160人に達した。人口10万人あたりの1週間の感染者数(19日時点)は1525人と全国1位で、全国平均の約3倍。1~19日に国際通りを訪れた県外客が1日あたり平均3263人と前年の3・2倍となった人流の増加や、46%と全国最下位にとどまる3回目のワクチン接種率(19日時点)などが拡大につながる背景とみられる。

感染者の急増は、これまで以上に医療を圧迫している。コロナ病床の使用率は20日時点で75・3%。沖縄本島では80・1%、八重山地域は84・1%とより深刻だ。さらにコロナ以外の一般病床は県全体で96・7%と、ほとんど空きがない。
病床逼迫に拍車をかけているのが、感染や濃厚接触を理由にした医療従事者の欠勤による人手不足だ。20日時点で939人と1週間前の1・5倍に増えた。
県内でも感染が深刻な石垣市では、重点医療機関である県立八重山病院で20日、職員の1割強にあたる66人が欠勤。11日からは一般外来を電話診療に切り替えている。田里雅樹・総務課長は「このままでは心臓疾患など急を要する治療もできなくなる」と話す。
県立中部病院(うるま市)でも20日、コロナ関連の欠勤者が職員の1割近くとなり、21日から救急外来の一部停止などに踏み切る。

19日の専門家会議では、こうした事態に「医療現場に医療者がいない」と切実な声が続いた。県はこの場で会食時の人数・時間制限などを求める新たな対処方針案を示したが、「不十分」との意見が相次いだ。県の医療コーディネーターを務める佐々木秀章医師は「今から2週間、イベントを全面中止するくらいの対策が必要だ」と求めた。
琉球大学病院の仲松医師は「以前は医療従事者もそうでない人も(感染対策について)同じ方向を向いていた。最近は世の中との温度差があまりにも大きい」と述べた。