日米外相、対中国を念頭に防衛協力拡大を確認…地域の経済秩序に「米国の関与が重要」

【ワシントン=阿部真司】訪米中の林外相は29日午後(日本時間30日未明)、ブリンケン国務長官とワシントンで約55分間会談した。海洋進出を強める中国などを念頭に防衛協力を拡大し、日米同盟の抑止力、対処力を強化する方針を確認した。米国の核戦力を含む軍事力で同盟国の日本を守る「拡大抑止」を確保するため、緊密に意思疎通を続けていくことでも一致した。
両氏は、中国がインド太平洋地域で経済的圧力を強めていることを踏まえ、「地域の経済秩序に対する米国の関与がますます重要」との認識を共有した。台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて強調し、両岸問題の平和的解決を促すことで一致した。中国との「率直な対話」の重要性も確認した。林氏は、米国の環太平洋経済連携協定(TPP)への早期復帰を求めた。
林氏は会談後、米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)で講演した。