大麻がらみの事件の摘発が千葉県内で増えている。県警によると、2020年と21年に摘発されたのは各200人近くに達し、18年の91人から倍増。22年も5月末まで前年並みのペースで推移し、高止まりが続く。その大半を20代以下が占めていることから、県警は小中学校での出張授業などを通じて若者たちに大麻の危険性を訴えている。【近森歌音】
県警によると、18年に91人だった摘発人数は19年に148人と6割以上増え、統計データの残る1983年以降で最悪となった。翌20年は196人と過去最悪を更新し、21年も190人とほぼ横ばいだった。22年も5月末までに54人と前年同期(56人)と変わらない高水準となっている。
近年の特徴は若者が摘発される事件が増加傾向にあることだ。19年は摘発された人に占める20代以下の割合は53・4%だったが、20年は64・8%、21年は70・5%と徐々に上昇。今年は5月末までに摘発された54人のうち41人(75・9%)が20代以下となっている。
21年11月には、松戸市内の車内で大麻を所持していた20代の男性5人が逮捕された。
県警によると、若者の間で大麻がまん延している背景には、インターネットを通じて売買されるようになり、手に入れやすくなったことがあるとみられる。また、大麻には依存性がないという誤った認識が広まっていることも影響している可能性があるという。
県警薬物銃器対策課の担当者は「現状には非常に危機感を抱いている。取り締まりに一層力を入れていく」と話している。
使用経験者「依存性ある」
「害がない」「依存性はない」という情報がインターネットなどで出回っている大麻。だが、使用経験がある40代の男性は「依存性はある」と警告する。
大麻を本格的に使い始めたのは高校3年生の時。友人に勧められたのがきっかけだった。ちょうど交際していた女性と別れた時期で、「寂しさを紛らわせることができた」と振り返る。
生来ののめり込みやすい気質が影響したのか、次第に手放せなくなった。使い始めて2年ほどたったころには、ネガティブ思考で疑い深い性格に変わっていた。自然と友達は離れ、孤立していった。
22歳の時に統合失調症と診断された後、精神科病院に入院した。発症の原因が大麻だったのかどうかは今となっては分からない。ただ、これを契機に大麻を断つ決意をした。
だが、それから約10年後、人生がうまくいかないと感じるようになり、再び手を出した。30代の半ばに差しかかったころ、大麻を所持しているところを警察から職務質問され、逮捕された。
男性は現在、薬物依存者の更生施設の職員として、かつての自分と同じような人たちを支援している。逮捕されて以降、大麻には手を出していない。
ただ、大麻と共に過ごした20~30代の人生については「時間を無駄にしてしまった」との後悔の念がある。手を出す若者が後を絶たない現状について、「今後一生縛られることになってしまう。他に熱中できるものを見つけてほしい」と語った。【近森歌音】