「いつまで続くのか」不安募らせる住民たち 福井、滋賀の大雨被害

降り続く雨が、また各地に水害をもたらした。福井県や滋賀県では5日、河川が相次いで氾濫。住民らは濁流の中をボートで救助されたり、避難所に身を寄せたりした。「いつまで続くのか」。6日も大気が不安定になる見通しで、住民らは不安を募らせている。
「職場から慌てて帰ってきたが、水があふれて家に入れない」。福井県南越前町では5日朝、日野川と鹿蒜(かひる)川の合流地点付近から氾濫し、茶色く濁った水が民家に押し寄せた。同町の40代女性は「近所の方はボートで救出されていた。朝7時に家を出た時は水たまりがある程度だったので、まさかこんなふうになるとは思わなかった」とぼうぜんとした様子で話した。
JR北陸線の線路も土砂で埋まった。同町今庄の介護施設「デイサービス 神久ファミリー」所長の神谷幸保さん(77)によると午前9時半ごろ、(鹿蒜川のある)線路の向こう側から水があふれてきたといい、「慌てて職員4人に声をかけて避難させ、自分も高くなっている道の方へ逃げた。濁流に足を取られそうになり、怖かった」と振り返った。
高時川が氾濫した滋賀県長浜市。同市余呉町上丹生(にゅう)では、流れてきた木や泥が道路に積もり、避難した人たちは「これほどの増水は経験がない」と口にした。
同市余呉町菅並に住む山根洋子さん(80)は「朝4時ごろから雨の音が聞こえだした。バケツをひっくり返したような雨で、80年近く住んでいるが、こんな川の流れは初めてで怖かった」と話した。
同市木之本町古橋では川の増水で歩道の一部と堤防が崩落。古橋地区自治会役員、山内正樹さん(60)は「ガガガという音がして、手すりが川に落ち、引きずられるように歩道や堤防も落ちた。車道も落ちるんじゃないかと思い、人が近づけないようにした」と振り返った。
同町にある大見橋は濁流で欄干が流され、水が引いた後も多くの流木が道を塞いだ。松本長治市議(55)は「杉林がなぎ倒されて、橋に木がぶつかり、ドーンドーンとすごい音がしていた。これまでにはないひどさだった」と話した。
一方、4日の豪雨で1級河川・梯(かけはし)川が氾濫した石川県小松市では住民らが片付けに追われた。支流の滓上(かすかみ)川沿いに住む60代女性は「朝から掃除でへとへとです」と話し、汗を拭った。川からあふれた水で自宅が約20センチ床上浸水。外から流されてきた土砂が庭一面に流れ込み、椅子やプラスチックケースなども流れ着いた。家の床や風呂場などにも土砂が残り、5日は朝から親戚や友人が集まって泥の処理に追われた。女性は「土砂の処理や家のものの修理などで今後(行政などの)支援がどの程度受けられるのか、今から心配です」と案じた。【国本ようこ、菅健吾、飯塚りりん、大原翔】