停滞する前線の影響で、青森県や北海道は9日、大雨が降った。青森県深浦町付近のレーダー解析で、この日午前と午後に1時間当たり約90~100ミリの雨が降ったとして、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を2回にわたり発表。同県弘前市は警戒レベルが最高の5にあたる「緊急安全確保」を発令した。気象庁は11日にかけて東北地方を中心に大雨が続くとして、厳重な警戒を呼び掛けている。
気象庁によると、24時間降水量の最大値(9日午後5時現在)は、青森県深浦町251・5ミリ▽北海道遠別町219・0ミリ▽青森県弘前市岳218・5ミリ――。いずれも平年の8月1カ月間を上回る雨が降り、観測史上最多を更新した。
県によると、鰺ケ沢町の中村川と西目屋村の大秋川が氾濫した。午後3時時点で人的被害は確認されていない。弘前市に隣接する平川市では、道路の冠水が目立った。無職の相馬京治さん(75)は「ここまで町中が水浸しになるのは珍しい。外に出てびっくりした」。無職女性(91)は「朝からずっと降っていて怖い。大きな川がない町中でもこれだから、他の地域の被害も心配だ」と不安げに語った。
店舗が浸水したドラッグストアの店員、古川香菜美さん(33)は「昼ごろ一気に水が店内に入り、店員総出でモップがけをした。5時間たってようやく店を再開できた」と疲れた表情。さらなる被害を防ぐため土のうを店の前に積んだ。
気象庁は、10日午後6時までの24時間の雨量は多い所で、東北200ミリ、北陸100ミリと予想する。さらに11日午後6時までの24時間では、東北100~150ミリ、北陸50~100ミリと見込んでいる。
前線は1週間程度、北日本に停滞する見込みだ。気象庁は「今後さらに広い範囲で記録的な大雨となる可能性がある」として、土砂災害や低い土地の浸水、河川の氾濫などに厳重に警戒するよう求めている。【安藤いく子、江沢雄志】