岸田文雄首相が10日に実施する内閣改造・党役員人事で、萩生田光一経産相を政調会長に起用する案が浮上している。党の政策・法案を取りまとめる要職だが、萩生田氏は現在、経産相としてロシアのウクライナ侵攻で高騰するエネルギー対策や、東京電力福島第一原発の処理水問題、脱炭素化を推進する「GX(グリーントランスフォーメーション)」など、数々の難題を担当していただけに、じくじたる思いもあるようだ。
「継続してやっていくことが望ましいのではないか、と僭越(せんえつ)ながら思っている」
萩生田氏は8日の閣議後記者会見で、こう語った。重要課題を担う〝自負心〟も垣間見えた。
経産省は、エネルギーの安定調達や原発事故処理、脱炭素の推進などを抱えている。特に、原発問題を、萩生田氏は「経産省にとって最も重要な案件」と指摘し、「私がやりたいということでなく、こんな大変なことを人が代わって大丈夫なのかという思いがある」と漏らした。
松野博一官房長官や林芳正外相らが続投という報道がありながら、自身は明確に留任とされなかったことも示唆し、萩生田氏は「(報道で)『骨格は維持する』と出ていて、俺は骨格ではなかったのかという思いもある」と漏らした。
萩生田氏はもともと、急逝した安倍晋三元首相の最側近として知られ、「安倍イズム」の継承者の1人とされる。
岸田首相は、最大派閥の安倍派(清和政策研究会)の橋渡し役とし、今後も政権安定への貢献に期待しているという。
岸田政権は昨年10月の発足後、党内各派閥に配慮した人事を進めてきた。7月の参院選勝利を受けて、今回の内閣改造・党役員人事では「岸田カラー」を打ち出す見通しだ。「安倍路線」を修正するのか。
萩生田氏は7日、岸田首相と面会し、政策課題や人事について意見交換を行ったといい、「最後は総理の判断に委ねたい」と述べた。