「第7波」で迎えるお盆休み…協力金支給で休日診療要請も

新型コロナウイルスの流行「第7波」の中で迎えるお盆休み。全国で緊急事態宣言の発令や蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用がなく、帰省や旅行での移動が活発化することが予想され、感染拡大の懸念もある。自治体は医療機関に協力金の支給で休日診療を要請するなど、感染拡大防止と社会経済活動の両立を模索している。
「お盆の季節、さまざまなイベントもあるかもしれないが、留意点を意識して行動をお願いしたい」。東京都の小池百合子知事は10日、こう呼び掛けた。
感染状況を分析する10日のモニタリング会議では、新規感染者数の7日間平均が3日時点の3万2921人から9日時点は約3万340人に減少したことが報告された。ただ、入院患者数は9日時点で4304人。8週連続で増加し、医療提供体制の逼迫(ひっぱく)が続いている。
都は、お盆期間中も検査や診察にあたる医療現場の体制を維持するため、開院する医療機関には医師1人の出勤につき1時間ごとに3万7500円の協力金を支払うなど、対策を強化。都が新型コロナの「診療・検査医療機関」に指定している病院やクリニックなど約4700機関のうち、約1600機関が応じる予定だ。
都は今月に入り、抗原検査キットを無償で配布し、陽性者はインターネットを通して「陽性者登録センター」に自身で報告するシステムを開設した。医療機関に行かずに感染を確定し、健康観察などを受けられる仕組みで、9日から対象年齢も広げた。
埼玉県でも祝日や土日と重なる11、13、14日の3日間の診療実施を呼びかける。県医療政策幹グループの島田和典主幹は「医療体制を維持するために一定の効果はある」と話す。
千葉県は今月31日まで、医療機関に対して抗原検査キットの送付やオンラインで確定診断する仕組みの活用などを要請している。
一方、神奈川県は休日や夜間に急患対応にあたる診療所の医師増員に対する補助金制度などを活用し、医療逼迫に対応する考えだ。県医療危機対策本部室の角田聡史氏はお盆期間の対応について、「人流も盛んになる時期だが、なんとか乗り越えたい」と話した。