東京都は10日、新型コロナウイルスの感染動向を分析するモニタリング会議を開いた。9日時点の新規感染者数の週平均は約3万340人で、前週の約96%になり、約2500人減少したことが報告された。前週から減少したのは6月15日以来、約2カ月ぶり。ただし、8月2~8日の死者は95人で前週(46人)から倍増しており、専門家は「現在のような感染状況が続けば医療提供体制が逼迫(ひっぱく)し、必要な治療を受けられない人が多く発生する可能性がある」と警鐘を鳴らした。
都によると、死者95人のうち70代以上は9割近い83人。10歳未満も1人いた。9日時点の重症者は40人。このうち70代以上は23人だった。入院患者数は4304人で、8週連続で増加しており、過去最多の4351人(2021年9月)と同水準になっている。
都医師会の猪口正孝副会長は「医療従事者が陽性となり就業制限を受け、入院患者の受け入れが困難になるなど、医療機関への負荷が増大し続けている」と述べた。【黒川晋史】