北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズ・ワン)」が沈没した事故で、定められた航路から外れ、景勝地の沿岸に接近する運航が常態化していた可能性があることが10日、運輸安全委員会の調査で分かった。運航会社「知床遊覧船」が通信手段としていた船長の携帯電話だけでなく、他社の携帯電話も一部の航路上で圏外だったことも明らかになった。安全委は同日、情報を国土交通省海事局に提供した。
安全委によると、カズ・ワンには昨年6月まで、衛星利用測位システム(GPS)を利用して船の位置情報や水深をモニターに表示する「GPSプロッター」と呼ばれる機器を搭載していた。
安全委が知床遊覧船に保管されていた機器から航跡記録を分析したところ、安全管理規程の運航基準に定められた基準航路から外れたルートを航行していたことが判明。斜里(しゃり)町のウトロ港から知床岬に向かう往路では、沈没現場に近い「カシュニの滝」付近から岸に近づく航路を進んでいた。
沿岸の景勝地に接近する運航が常態化していた可能性がある。カズ・ワンは事故当時、GPSプロッターを搭載していなかった。