秋田県北、県央部を中心に10日も雨が降り続き、三種川が氾濫した三種町は計922世帯1989人に、避難情報のうち危険度が最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」を県内で初めて発令した。このほか、最大5市町で避難指示が出された。
秋田地方気象台によると、停滞した前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで大雨になった。8日午後1時の降り始めから10日午後6時までの降水量は、八峰町八森が232ミリ、大館市陣場で185・5ミリなど。八峰町八森や大館市大館では24時間降水量が観測史上最大となった。
県河川砂防課によると、午後1時40分に三種町下岩川で三種川が氾濫した。消防によると、住民から午後2時頃、「冠水して取り残されている人がいる」と119番があり、周辺の30~80歳代の男女計5人をボートで救助した。
近くに住む主婦(69)は「ものの10分ほどで川の水位が一気に上がり、近くの田んぼや倉庫に流れ込んで恐怖を感じた」と話した。
北秋田市によると、午前11時半頃に同市李岱で羽根山沢川が氾濫。午後4時に安全な水位に戻るまで、羽立地区が一時孤立した。
県総合防災課などによると、緊急安全確保が出された三種町以外に、能代市や男鹿市など最大5市町計約1万300世帯に避難指示が出された。男鹿市と八峰町では住宅の床下浸水が各1棟確認された。
気象台によると、前線は今後1週間程度は停滞する見込みで、土砂災害などへの警戒を呼び掛けている。