弁護士の4割「裁判官の居眠り見た」、働かせすぎや「退屈な尋問」を問題視する声も

仙台地裁で6月、裁判中に裁判員の男性がいびきをたてて居眠りし、辞任する事態がありました。しかし、弁護士や傍聴人の間では、法廷内での居眠りは裁判員に限らないとの指摘が上がっています。 弁護士ドットコムは登録の弁護士を対象に、法曹三者が裁判中に寝るのを見たことがあるか調査したところ、265人が回答を寄せてくれました。裁判官や弁護士については「ある」が約4割だった一方、検察官は1割にも満たないという結果が出ました。 6割強の弁護士が「居眠りはどんな状況でも許されない」と厳しい意見を出したものの、処分するかについては消極的な意見が目立ちました。むしろ、居眠りを引き起こすような裁判手続きの進行方法や、過労による体調管理の必要性といった課題が見えてきました。 ●民事裁判の尋問中に目撃多数、実際に抗議した人は少ない 調査は今年7月に弁護士ドットコムの登録弁護士を対象にメールで実施しました。 裁判官の居眠りについては「かなり見かける」1.5%、「時々見かける」40.5%、「ない」58.0%でした。具体的エピソードを募ったところ、主に民事裁判での尋問中の目撃情報が多数寄せられました。中には「1時間以上眠っていた」「いびきをかいていた」などの強者もいたといいます。 「原発関係訴訟で右陪席がうとうと。傍聴席は満席でヒヤヒヤした」 「昼食後の時間帯の手続における居眠りが多い」 「開廷中に寝ていて、ネットで書き込みされていた」 こうした裁判官の居眠りの是非について、66%が「どんな状況でも許せない」と回答しているものの、実際に抗議した人は5%にとどまります。「裁判官と感情的に対立したくないので、黙っている」などと心証を悪くしたくないとの苦しい胸の内が透けて見えてきます。 中には「退屈な尋問をしてしまう方が問題ではないか、と思ってしまう」などと自責の念を述べる人もいます。対策として「興味のありそうなワードを複数回強めに言うなど流れを修正した」という人もいました。 「寝るようなつまらない訴訟活動をする方が悪いので、寝た方を処罰するというのはおかしい。寝られた方こそ猛省すべきである」との厳しい意見もありました。 ●弁護士も眠気対策「つねる」「コーヒーを飲む」「尋問前は軽食にする」 今回、弁護士の居眠りについての目撃情報も聞いています。「かなり見かける」1.9%、「時々見かける」35.1%、「ない」は63.0%でした。弁護団を組んでいる場合や、自分があまり関係のない時に寝ている状況が多いことが見受けられます。
仙台地裁で6月、裁判中に裁判員の男性がいびきをたてて居眠りし、辞任する事態がありました。しかし、弁護士や傍聴人の間では、法廷内での居眠りは裁判員に限らないとの指摘が上がっています。
弁護士ドットコムは登録の弁護士を対象に、法曹三者が裁判中に寝るのを見たことがあるか調査したところ、265人が回答を寄せてくれました。裁判官や弁護士については「ある」が約4割だった一方、検察官は1割にも満たないという結果が出ました。
6割強の弁護士が「居眠りはどんな状況でも許されない」と厳しい意見を出したものの、処分するかについては消極的な意見が目立ちました。むしろ、居眠りを引き起こすような裁判手続きの進行方法や、過労による体調管理の必要性といった課題が見えてきました。

調査は今年7月に弁護士ドットコムの登録弁護士を対象にメールで実施しました。
裁判官の居眠りについては「かなり見かける」1.5%、「時々見かける」40.5%、「ない」58.0%でした。具体的エピソードを募ったところ、主に民事裁判での尋問中の目撃情報が多数寄せられました。中には「1時間以上眠っていた」「いびきをかいていた」などの強者もいたといいます。
「原発関係訴訟で右陪席がうとうと。傍聴席は満席でヒヤヒヤした」 「昼食後の時間帯の手続における居眠りが多い」 「開廷中に寝ていて、ネットで書き込みされていた」
こうした裁判官の居眠りの是非について、66%が「どんな状況でも許せない」と回答しているものの、実際に抗議した人は5%にとどまります。「裁判官と感情的に対立したくないので、黙っている」などと心証を悪くしたくないとの苦しい胸の内が透けて見えてきます。
中には「退屈な尋問をしてしまう方が問題ではないか、と思ってしまう」などと自責の念を述べる人もいます。対策として「興味のありそうなワードを複数回強めに言うなど流れを修正した」という人もいました。
「寝るようなつまらない訴訟活動をする方が悪いので、寝た方を処罰するというのはおかしい。寝られた方こそ猛省すべきである」との厳しい意見もありました。
今回、弁護士の居眠りについての目撃情報も聞いています。「かなり見かける」1.9%、「時々見かける」35.1%、「ない」は63.0%でした。弁護団を組んでいる場合や、自分があまり関係のない時に寝ている状況が多いことが見受けられます。