東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、贈賄側の紳士服大手「AOKIホールディングス」側が東京地検特捜部に対し、大会組織委員会元理事・高橋治之容疑者(78)(受託収賄容疑で逮捕)の会社と2017年に結んだコンサルタント契約について、「五輪も見据え、資産管理会社の名義で契約した」と供述していることがわかった。特捜部は、取引内容を株主に説明する必要があるAOKI本体での契約を避け、資金提供を隠す意図があったとみている。
関係者によると、AOKI前会長の青木
拡憲
(ひろのり)容疑者(83)(贈賄容疑で逮捕)らの資産管理会社「アニヴェルセルHOLDINGS」は17年9月、高橋容疑者のコンサル会社「コモンズ」と契約を締結。業務内容として、「AOKIグループに対する経営全般のアドバイス」などと契約書に明記した。コンサル契約に基づき、アニヴェルセルHOLDINGSは同年10月以降、コモンズに月額100万円を支払い、大会閉幕後の21年10月頃から同50万円に減額した。
契約締結時点で、東京五輪・パラの開催まで約3年あり、AOKI側は特捜部に「今回は短期的成果が出ない可能性がある事業として資産管理会社を使った」などと供述。上場企業のAOKI本体で契約すると、コモンズとの取引の内容や成果について、毎年の株主総会などで質問が出た場合は説明が必要となることから、特捜部は、青木容疑者らがその必要が生じない資産管理会社の名義で契約する判断をしたとみている。
青木容疑者は、コンサル料の支払いについて賄賂性は否定する一方、「五輪事業の趣旨もあった」と供述。これに対し、高橋容疑者は「五輪とは関係のないコンサル料だ」と述べ、容疑も否認しているという。
高橋容疑者は、AOKI側から五輪事業で有利な取り計らいを受けたいという依頼(請託)を繰り返し受け、17年10月~今年3月、謝礼として五十数回にわたり計5100万円の賄賂を受領したとする受託収賄容疑で17日に逮捕された。AOKI側も青木容疑者ら3人が贈賄容疑で逮捕された。
AOKI側は高橋容疑者と面会した際、スポンサー選定などについて会話した内容を録音しており、特捜部はこの録音データを入手。AOKI側の依頼や高橋容疑者の受け答えなど、具体的なやりとりの分析を進めている。