旧統一教会との関係、地方政界でも 関西など首長が説明に追われ

宗教団体「世界平和統一家庭連合」(旧統一教会)を巡っては、国政にとどまらず地方政界との関係も各地で表面化している。関西や北陸では、自治体の首長が相次ぎ、記者会見で関与の有無を明らかにした。
安倍晋三元首相が死亡した銃撃事件の現場となった奈良県。荒井正吾知事は10日の記者会見で、2019年の知事選時に奈良市内の教団関連施設を「一度だけ訪問してあいさつした」と接触を認めた。一方、後援会の調査では選挙の手伝いやパーティー券の購入などは確認されなかったといい、「私個人との付き合いはない」とした。
石川県の馳浩知事は7月26日の記者会見で、過去の選挙で支援を受けたことを認めた上で「金銭的な支援は受けていない」と説明。福井県の杉本達治知事は記者の質問に、19年に愛知県であった関連イベントに祝電を送った記憶があると答えた。また、富山県の新田八朗知事は「集会に招かれて話をした」とし、20年の知事選で支援を受けたことを明らかにした。富山市の藤井裕久市長も「教団内で後援会を結成してもらい、21年の市長選で支援を受けた」と説明。しかし、「団体の不法行為を確認したため、今後は公務、政務ともに一切関わりを持たない」と明言した。
一方、兵庫県の斎藤元彦知事は「知事として関連団体の会合に出席したことはない」とし、自身の政治活動を通じた交流も否定。京都府の西脇隆俊知事も今春の知事選を含めて「支援を受けたことはない」と述べた。大阪府の吉村洋文知事、滋賀県の三日月大造知事、和歌山県の仁坂吉伸知事も関与はなかったとした。【久保聡、深尾昭寛、中田敦子、添島香苗】
「官邸主導で宗教法人の審査を」
上久保誠人(かみくぼまさと)・立命館大教授(政治学)の話
旧統一教会の地方政治や地方行政への接近は、1960~70年代の革新自治体の誕生阻止といった政治目的から、選挙を通じた信者獲得や行政のお墨付きで社会的信用を得る手段へと変化している。個々の首長が関係断絶を宣言したところで、根本的な解決にはならない。求められるのは、宗教弾圧や排除ではなく、国民注視の下、官邸主導で宗教法人の審査や認証の仕組みを見直し、反社会的活動や違法行為を許さないことだ。