自民党政調会長・萩生田光一先生がブレイク中です。
“政治ジャーナリスト”田崎史郎氏によると安倍派の後継争いは「萩生田、頭一つ先行」(四国新聞8月21日)というのですが、違う、そうじゃない。旧統一教会問題で「萩生田、頭一つ先行」になっているのだ。
先週だけでもすごい。まず週刊新潮が、萩生田氏が生稲晃子氏と6月に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連施設を訪問したことを報じた(8月17日発売号)。萩生田氏はこれまでも教団との接点を報じられてきたが関係の薄さを強調してきた。ところが今回の参院選でも仲間を連れて行っていたことが判明したのである。
コントみたいな展開に…
萩生田事務所は、ANNの取材に「聴衆の人から『近くで仲間が集まっているので話を聞かせてもらえないか』と申し出があり、候補者も不慣れだったため、同行しました」とコメント(8月17日)。
素晴らしい! これが本当なら「家、ついて行ってイイですか?」(テレビ東京系)の登場人物より気さくな萩生田先生である。実際は「旧統一教会、ご挨拶行ってイイですか?」ではないかと思うのだが、萩生田先生は8月18日に記者団に対して「(施設の)名前はちょっとわからない」と発言。ところが現場は玄関横に「世界平和統一家庭連合 八王子家庭教会」と記されていた。
『萩生田氏、訪れた教会の「名前わからない」 でも玄関横には施設名が』(朝日新聞デジタル8月18日)
ああ、コントみたいな展開の萩生田先生。
それだけではない、先週土曜日には「報道特集」(TBS系)で、
『“一緒に日本を神様の国にしましょう”自民・萩生田光一政調会長が旧統一教会の関連団体で講演していた記録を独自入手』(8月20日)
というスクープを報じられてしまう。民主党政権時代の2009年から2012年に落選中だった萩生田氏は教会を頻繁に訪れていたと元信者が証言。そこで何を語ったのか。
旧統一教会では文鮮明氏と韓鶴子氏のことを「ご父母様」と呼ぶらしいのだが萩生田氏は、
「私もご父母様の願いを果たせるように頑張るから、皆さんも一緒に頑張りましょう」
「一緒に日本を神様の国にしましょう」
などと呼びかけたという。派閥の大先輩である森喜朗の「日本は神の国」ってこういう意味もあったのだろうか。感慨深い。
またしても「バーベキュー」
「ご父母様」とか「一緒に日本を神様の国に」だけで強烈だが、私は萩生田先生にまつわるもう一つのキーワードに今回注目したいのだ。それは「バーベキュー」である。
週刊新潮の記事に「以前は、礼拝を兼ねた日曜日のバーベキュー大会にジャージ姿で駆け付けてくれたりもしてたんです」という旧統一教会の関係者のコメントが載っていた(8月17日発売号)。それに対し萩生田氏は「ジャージ姿でも背広姿でもバーベキューに参加したことはございません」と答えた。
またしてもバーベキュー問題である。
「萩生田&バーベキュー」の話題は本当によく出てくるのです。思い出してほしい、萩生田氏といえば安倍晋三元首相と学校法人「加計学園」の加計孝太郎理事長と3人でバーベキューをした際に撮影されたとされる写真が話題になった。2013年5月に自分でブログにあげていた。
バーベキューは親密さや近さをイメージできる。萩生田氏は落選中に加計学園が運営する千葉科学大の客員教授として報酬を得ていた。そのあと加計学園問題が起き、萩生田氏は関与が取りざたされた。なので、あの写真が「意味」を持ったのである。しかし安倍元首相は加計学園問題に反発するように2019年9月の内閣改造で萩生田氏を文科相として入閣させる。
そんな経緯があったので、毎日新聞に内閣のネーミングを問われた私は「バーベキュー内閣」と名付けた。身内重用で開き直ったように見えたという意味だ(2019年9月12日)。
萩生田氏が文科相に就任することはどんな波紋を呼んだのか。当時の解説を見てみよう。
《萩生田光一文部科学相といえば、加計学園問題の中心人物の一人だったはずだ。同学園の大学獣医学部新設について、官房副長官だった萩生田氏から「官邸は絶対やると言っている」と対応を迫られ、加計学園が有利になるよう特区のルール変更も指示された――という記録が文科省内で見つかっている。今度はその省のトップとして説明を求められることになる。》(毎日新聞WEB2019年9月22日)
加計学園問題をめぐる、独特すぎる弁明
では、どんな説明をしたか。萩生田氏は就任記者会見で次のように語った。
「獣医学部の開設を後押ししたり、文科省に何か指示したりしたことは一切ない。総理から指示を受けたことも、意見を求められたことも一度もない」
省内に記録が残っていたことについて記者から「(記録は)でっち上げなのか」と問われると「私としては私の発言していないことが私の発言だといって文書で出てきて、大変疑念をかけられ、迷惑した」と文科省を非難した(同上)。
なんと、自分の役所の文書を「迷惑」と非難したのである。かなり独特な弁明をした萩生田先生! すごい。
このように多くの人にすすめたいのが「萩生田読み比べ」なのである。どう読んでも苦しい今回の旧統一教会問題への弁明を思い浮かべながらもう一度、加計学園問題での弁明を読んでみると面白い。突飛な萩生田節が味わえるはず。
そしてこの2つの事柄であらためて考えたいことは何か。旧統一教会も加計学園も、浪人中の萩生田氏を応援した結果どうなったのか。萩生田氏が国会に返り咲いた2012年以降に何か「成果」があったのか、それとも全くなかったのか?
マスコミにもっとおさらいしてほしいポイントはここなのです。
(プチ鹿島)