少年少女3人が美人局、発端は出会い系…少女が提案「あの方法ならお金とれるかもよ」

今春、山陰両県の少女と少年の3人が恐喝の非行事実で家裁送致された。非行事実は、出会い系サイトで知り合った男性から

美人局
(つつもたせ)の手口で現金を脅し取ったというもの。3人が手口を思いついたのは、少女が以前、ネットで知り合った男性とトラブルになり、少年らが助けたことがきっかけだった。(玉田響子)
「お前のやっていることは犯罪だぞ」
4月、松江市東津田町のアパート。会社員の男性が暮らす一室に、18歳の少年らの声が響き渡った。少年らは、男性の部屋にいた16歳の少女の知人。少女は、出会い系サイトで知り合い、この日初めて会った男性に招かれ、部屋を訪れていた。
少女は部屋に入った後、男性に気づかれないよう、玄関の施錠を解除。事前の打ち合わせ通り、少年らは少女から受け取ったSNSのメッセージを合図に、一斉に部屋に上がり込んだ。
少年らは、男性の頭を踏みつけるなどし、3000円が入った財布を奪取。さらに翌日までに10万円を準備するよう求め、その場を後にした。すべては“計画通り”だった。

捜査関係者によると、少女は、数か月前から家出を繰り返していた。SNSで知り合った男性の部屋や友人宅などで外泊を続け、そうした暮らしの中で少年らと知り合い、同世代として仲を深めた。
そんな暮らしの中、ある事件が起こった。少女は宿泊先として招かれた男性とトラブルになり、とっさに少年らに連絡。男性は駆けつけた少年らに「警察に言わないでください」と頼み込み、金銭を渡した。
「あの方法ならお金とれるかもよ」
美人局の手口は、少年らとのつながりを失いたくない少女からの提案だった。少年らも「小遣い欲しさ」に計画に賛同し、初めて実行に移したのが今回の事件だった。翌日、少年らが訪れた部屋には、相談を受けた松江署員らがいた。
ある捜査幹部は言う。「欲望のままに行動する大人と、危険を察知できない子どもによる犯罪。少女らは一歩間違えれば、生死にかかわる事件に巻き込まれていた」

警察庁によると、出会い系サイトで交際を持ちかける「禁止誘引」の検挙数は昨年、前年より9件増の60件。うち児童が書き込んだ誘引は37件(前年比19件増)と6割を占めた。
背景には匿名性の高いSNSを介し、判断力の乏しい子どもを狙う性犯罪が後を絶たない実態がある。警察庁によると、SNSを通じ、事件に巻き込まれた18歳未満は昨年、全国で1812人に上った。
島根県警は2020年3月から、ツイッター上で子どもに買春を呼びかける投稿に、「極めて悪質な行為」などと警告するサイバーパトロールを開始。今年は6月末現在、50件の警告を出した。さらに保護者らに特定サイトの閲覧を制限する「フィルタリング機能」の利用を呼びかけるなどしている。
県警人身安全対策室の高橋一徳室長は「サイバー空間は年々進化し、いたちごっこの難しさがある。犯罪行為そのものを当事者に認識してもらい、少しでも多く犯罪の予防につなげたい」と話している。